2026年1月15日時点での住宅宿泊事業(いわゆる民泊)の累計届出住宅数は59,427件となったとBEST OF MINPAKU JOURNALが報じた。2025年11月時点と比較すると約1,900件の増加であり、過去の月次増加数と比べるとやや控えめな伸びとなっている。
廃業率は依然37%超で推移
2026年2月時点でも廃業率は約37~38%程度で推移していると業界関係者は推計しており、住宅宿泊事業の市場環境は依然として厳しい。市場全体としては「拡大」というより「入れ替わり」が進んでおり、新規参入と同時に廃業も増加する淘汰期の様相を呈していると民泊市場分析サイトは分析する。
エリア別に見ると、東京や大阪、福岡などの訪日外国人旅行者需要が堅調な都市では引き続き登録が伸びており、地域差が大きくなっているのが現状だ。一方で、自治体ごとの独自条例が、事業者にとって運営ハードルとなっており、特に消防設備や近隣対応などの要件が厳格化されている地域では、運営継続を断念するケースも散見されるという。
訪日客4000万人突破も稼働率は45%
2026年は訪日外国人旅行者数4,000万人突破が確実視されているが、民泊の平均稼働率は45%程度(2025年の業界推計)にとどまっている。この矛盾は、民泊市場が単純な需要回復では解決できない構造的課題を抱えていることを示していると指摘されている。
観光庁の宿泊実績調査(2024年8~9月)によると、届出住宅あたりの平均宿泊日数は17.2日(2ヶ月間)で、これを年換算すると約103日となり、住宅宿泊事業法の上限180日に対して約57%の稼働水準にとどまっている。
質への転換が求められる
民泊市場における競争環境は、かつての「空き物件を使って低コストで始める」段階から、「差別化と体験価値が問われる成熟市場」へと移行している。単なる宿泊施設ではなく、地域性を活かした体験の提供や、長期滞在に適した設備、写真映えを意識したデザイン性など、選ばれる理由を明確にする工夫が求められると専門家は指摘する。
宮城・仙台エリアで住宅宿泊事業を検討する事業者にとっても、届出件数の増加ペース鈍化と高い廃業率は、事業計画の精度と差別化戦略の重要性を示唆している。


