タイが入国管理統合アプリを10月導入、90日報告も電子化へ
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、Digital Identity社、タイ入国管理局の3者が共同開発した「Thailand Immigration Management System(THIM)」が2026年10月1日に正式導入されると、Bangkok Postが5月29日に報じた。タイは年間約3000万人の外国人訪問者を受け入れており、バンコクは2025年に国際到着者数で世界最多訪問都市にランクされた。
「スーパーアプリ」としての構想
入国管理局はTHIMを在タイ外国人向けの「スーパーアプリ」と位置づけ、駐在員や長期滞在者の書類作業を削減し、観光客向けには空港での自動化ゲートの導入を視野に入れている。入国管理局副局長のプラティア・プラサーンスック警察少将は、THIMがタイを東南アジアにおけるデジタル入国管理変革の最前線に位置づけると述べた。
利用者は入国審査カウンターでQRコードを提示する必要はなく、データは入国管理局のシステムと直接同期され、職員がパスポートをスキャンする際にデジタルフォームの完了を確認できる。アプリは英語、ロシア語、日本語、中国語に対応しており、将来的には15言語への拡大を予定している。
在留外国人向けサービスの拡充
駐在員向けには、THIMは義務付けられている90日報告と公式電子文書の申請に対応し、県の入国管理事務所への訪問を減らすことができる。これまでタイに長期滞在する外国人は、90日ごとに入国管理局へ出頭または郵送で報告する義務があり、この手続きの煩雑さが長年の課題となっていた。
将来的には、THIMはタイに住むすべての外国人向けの包括的デジタルプラットフォームとなることを目指しており、予約機能、電子延長サービス、オンライン事前書類提出、ステータス変更申請、取引関連証明書の発行などを備える予定だ。投資委員会(BOI)や外交ステータスを持つ長期ビザ保有者は、リアルタイムのモバイル写真とパスポート写真を比較する顔認証技術により、空港の自動ゲートにアクセスできる可能性がある。
従来システムからの移行
入国管理局はこれまで手動の青色スリップと外部委託によるデータ入力に依存していたが、昨年にはウェブベースのThailand Digital Arrival Cardを導入し、1000万人以上の旅行者を処理した。しかし従来のシステムでは、頻繁に訪れる旅行者から、毎回20項目すべてを再入力しなければならないという苦情があった。
THIMでは、旅行者は完全なプロフィールを一度だけ入力すればよい。これにより入国手続きの効率化と待ち時間の短縮が期待される。タイ政府は観光立国として外国人訪問者の利便性向上を重視しており、デジタル化は入国体験の改善と不正防止の両立を目指す取り組みの一環だ。
アプリは既にダウンロード可能
THIMアプリは既にダウンロード可能な状態にあり、10月1日の正式ローンチに向けて準備が進められている。タイ入国管理局はこのシステムを通じて、外国人の入国・滞在管理の透明性と効率性を大幅に向上させることを狙っている。

